イスタンブールの汚れた壁を芸術に変えるストリートアート13選

汚れた壁や殺風景な路地を、アートで塗り替える動きがイスタンブール(Istanbul)でも広がっています。そんなイスタンブールのストリートアートの代表格が、オクメイダヌ(Okmeydanı)とマフムト・シェヴケット・パシャ地区(Mahmut Şevket Paşa Mahallesi)を中心に活動するグラフィティアーティスト、セイフィ・ギュネイ(Seyfi Güney、Instagramは@byseyf)とオスマン・デリジェ(Osman Delice、Instagramは@zerkeizze)の2人です。2人が時にPepe Mode On、Scar、Pouc、Geskといった仲間の力も借りながら、シシリ(Şişli)、カウトハネ(Kağıthane)、ベイオール(Beyoğlu)の3区にまたがる下町の、観光地のような整った街並みとは違う生活感のある路地の壁に描いてきた13枚を紹介します。
1. 色が生まれる瞬間
何の変哲もない灰色の壁に、スプレーの一筆が入ります。たったそれだけで、素通りされていた壁がその瞬間から「見る対象」に変わるのです。
この作品も、2人がオクメイダヌの路地で手がけた一枚です。
2. 見過ごされていた一角
人通りは多いのに、誰も立ち止まらない壁があります。ギュネイとデリジェが選ぶのは、まさにそうした「見過ごされた一角」です。色が入ると、どうなるでしょうか。通行人の視線が、ほんの数秒だけそこで止まるようになります。
3. 塗料と根気の仕事
一枚の壁を仕上げるのに、スプレー缶は何本も必要です。時間もかかります。
グラフィティは即興で一気に描くものと思われがちですが、実際には下描きと配色をあらかじめ決めてから現場に入ることが多いといいます。この一枚にも、そうした地道な作業の積み重ねが表れています。
4. 路地の表情を変える一枚
マフムト・シェヴケット・パシャ地区の路地は、決して観光パンフレットに載るような景観ではありません。
だからこそ、たった1枚の壁画でも、通り全体の印象を変えてしまうのです。
5. 子どもの花嫁に「反対」
2人が描くのは、街を彩る絵だけではありません。ギュネイとデリジェは、できる範囲で社会的なテーマにも取り組んでいます。タクシム・イスティクラル大通り(Taksim İstiklal Caddesi)のこの作品は、「子どもの花嫁に反対」する啓発活動の一環として描かれたもので、2人が最後に手がけたプロジェクトのひとつだといいます。メッセージ性の強い壁画は、この通りを歩く人の足を止めます。オクメイダヌの路地の作品が近所の暮らしに溶け込んでいくのに対し、こちらは通りを行き交う人へのメッセージとして描かれています。
6. 仲間と手を動かした一枚
2人は、Pepe Mode OnやScar、Pouc、Geskといった顔見知りのグラフィティ仲間と一緒に筆を動かすこともあります。1人では塗りきれない大きな壁ほど、仲間の手が欠かせません。
7. 住居の壁に残る記憶
住宅の外壁という、生活の延長線上にあるキャンバスです。
誰かが毎日出入りする家の壁が作品の舞台になれば、アートと日常の距離は一気に縮まります。
8. 線と面がつくる対話
同じ壁の中で、直線的なタイポグラフィと曲線的なキャラクターが向き合っています。グラフィティらしい文字のレイヤーを持ちながら、絵としての奥行きも同時に備えた作品です。
9. 街角の小さなキャンバス
大きな壁だけがキャンバスになるわけではありません。
電柱の脇や塀の切れ端のような小さな面にも、2人は手を止めずに描き込みます。
10. 色彩のパッチワーク
隣り合う壁ごとに違う色が使われていると、通り全体がパッチワークのように見えてくるものです。この壁も、その色のつながりの一部を担っています。
11. 忘れられがちな裏路地
表通りから一本入った裏路地は、普段は誰の目にも留まりません。
そこにあえて描くのが、2人のやり方です。「忘れられた場所」は、そうして再び人の意識に上るようになります。
12. 古い壁に新しい層を
ひび割れたコンクリートや古い塗装の上に、新しい色が重なっていきます。劣化した壁の質感は消えません。意外にも、それが欠点にはならず、作品に独特の味を加えています。
13. 続いていくイスタンブールのストリートアート
今回のシリーズは、13枚目のこの作品でひとまず締めくくりです。とはいえ、2人の活動が終わるわけではありません。次の壁へ、次の路地へと続いていきます。ただし、ストリートアートは上から塗り替えられることも多く、ここで紹介した壁画が今も同じ姿で残っているとは限りません。
観光客でにぎわうスルタンアフメト(Sultanahmet)やベイオール中心部とは違い、オクメイダヌは典型的な観光スポットではありません。英語版ウィキペディアの「Okmeydanı」の項目によると、地名は「矢の広場」を意味し、オスマン帝国のスルタン、メフメト2世が設けた弓術の練習場に由来します。地元の人の生活がそのまま残る下町です。訪れる際は服装や持ち物をシンプルにし、路地では住民への配慮を忘れないようにしましょう。イスタンブールの「見せる顔」ではない部分に触れてみたい人には、こうしたストリートアートを探す散策がちょうどよい入り口になるはずです。イスタンブールの壁に、これからも新しい色が増えていくことを願っています。
出典:Okmeydanı – Wikipedia、Seyfi Güney (@byseyf) – Instagram、Osman Delice (@zerkeizze) – Instagram




















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